『梶井基次郎』(ちくま日本文学全集)

『梶井基次郎』(ちくま日本文学全集)を読みました。私の印象:○
そんなこと言っといてそういえば「檸檬」と「桜~」ぐらいしか読んでないよなあと借りてみた。事物の描写が印象的だった気がしてたけど、なんかこうずいぶんな叙情文だったのね。内へ内へ妄想と一緒に沈み込んでいく、に伴ってとりまく情景が巻き込まれていく、という感じか。その描写の的確っぷりにしびれる。
初めのほうのやんちゃな感じも良いけど後のほうの鬱々ぐちぐちした感じも良いです。「愛撫」は楽しいしかわいい、私も猫を愛せたら! 「筧の話」「冬の蠅」が好き。あと最後の書簡集が興味深く読めた。

「視ること、それはもうなにかなのだ。自分の魂の一部分あるいは全部がそれに乗り移ることなのだ」(p.292)