『めぐらし屋』(堀江敏幸 作)

『めぐらし屋』(堀江敏幸 作)を読みました。私の印象:◎
4冊目、だんだんだんだんツボってくるんですけど!
うーーーよかった!蕗子さん! この「~さん」ていう三人称はずるいねえ。この装丁と同じぐらいずるいねえ。どこを開いても文章といい内容といいやわやわと或いはさらさらと心地よい手触りでうっとりする。何がと言われるとうまく説明できないんだけどうっとりする。蕗子さんの生きづらさ、ずっとつきまとう疎外感にもものすごく共感できてしまってどうしよう。豆大福! 皮が厚めの豆大福とまろやかな甘味の出たおいしいお茶!! 重田くんもいいですよ。レーミンもいいですよ。全編通して言われ続ける蕗子さんの体調不良はつまり代謝不良であって、その滞りをタイトルの『めぐらし屋』が包み込む。「はい、めぐらし屋です」に至るまでの、これは蕗子さんの救いのお話なんだろう。
長編だからか、一番物語が物語らしく起承転結していたと思う。そこが私にはよかったんだと思う(俗っぽくて)。