『でいごの花の下に』(池永陽 作)

『でいごの花の下に』(池永陽 作)を読みました。私の印象:○
「プロのカメラマンだった男は姿を消した。死をほのめかすメモと、使いきりカメラを残して。フリーライターの燿子は、恋人の故郷である沖縄へ。どこまでも青い空と海、太陽と風につつまれて、愛した男を追い、その過去を知ってしまう……。」(帯より)
沖縄だ沖縄だこれが沖縄だ。そうだ。少し掘れば白骨が出てくる、傷だらけの美しい島だ。ごめんなさい。日本がホイにしたのは広島や長崎だけじゃない。
「そうかもしれないけど、そうでもないかもしれない。それでいいと、おばあは思うよ」「忘れなければいいんさあ。忘れないで心の片隅にそっと置いておけばいい、とおばあは思うよ。戦争のことも混血であることも、人間は忘れるから毎日を生きていけるんだねえ。時々思い出せばいいんだとおばあは思うよ。時々でいいんだよ」(p78)
ほんとかなあ。でも少し救われた。
右手に執着する感情の描き方が好き。セクシーというか魅力的というか、そういう手ってあるよねえ。手をねだる側もねだられる側もいい。二人ともの、その行動が。
「~無数に埋まっている骨の色にねえ」「骨の色!」(p234)みたいな「(直前の言葉の繰り返し)+!」会話が多いのが気になった。
なんか説明不足に感じる部分もあるけど、全体通してゆさぶられたし沁みたです。読んでよかった。